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【盛る・削る編】表面処理で役立つ便利ツールの紹介

PC上で正確にモデリングや設計をしていても、3Dプリンター出力品に歪みや積層痕、サポートの跡が残ってしまうことがあります。
組んで隠れてしまう箇所であればそのままでもいいでのですが、表面に出る箇所は処理をしたいところです。
そこで今回は、表面処理で使っている接着剤やパテ、やすりがけで使っている時短ツールなどを紹介します。

よく使う瞬間接着剤・パテ

穴を埋めたりパーツを接着したりする際に接着剤やパテを使用しています。
素材や色味、種類も色々あるので目的によって使う材料を使い分けています。

シアノン(瞬間接着剤)

ガレージキット界隈では有名な接着剤です。
色味は黄色っぽいとかなく、真っ白と言っていいと思います。
ガレージキットのシリコン複製品は白いものが多いので、サフレス塗装をするような時には相性がいいのかもしれません。(たぶん)
わりと高価なので、キャラクターものを作る際に少しずつ使うことが多いです。
サラサラな液体ではなく、すこしトロっとしています。

ガイアノーツ 瞬間カラーパテ

こちらはシアノンよりも安価なので、台座の様な広い面積に使うことが多いです。
こちらもパテとは言いますが、シアノン同様トロっとした液体という感じです。

ホワイトはシアノンのように真っ白という感じではなく、アイボリーのような色味です。

グレーは少し明るめの色合いです。

カラーバリエーションも豊富で、同じ種類のカラーパテを混ぜて調色して使うこともできるようなのでお好みをカラーパテを作ることもできそうです。

アルテコの粉

硬化したシアノンやカラーパテはけっこう硬く削りにくい場合があります。
そんな時はクレオスのMr.SSP瞬間接着パテに付属している粉、通称「アルテコの粉」を混ぜ合わせると削りやすくなります。
硬化後は少し粉っぽくなるイメージでしょうか。

粉自体はサラサラしていて、純白と言った感じです。
接着剤に混ぜることで、パテのように盛り付けることもできます。

アルテコ スプレープライマー

瞬間接着剤用硬化促進剤になります。
これは瞬間接着剤やパテに吹き付けることで硬化を早めることができます。
結構な量の接着剤やパテを使用してもすぐに固まるので、ある程度成形してから使うのがオススメです。

フィニッシャーズ ラッカーパテ

3Dプリンター特有の積層を消したいときに使っています。
ラッカーなのでラッカー系の塗料やサーフェイサーを溶かすので注意が必要です。

ラッカーパテはそこまで使用頻度は高くないので、使い切る前に固まってしまうことがあります。
その時はラッカー塗料のうすめ液を少し入れて復活させています。

タミヤ エポキシパテ

3Dプリンター出力品を大きく改造することは少ないですが、細かい造形を追加するような場合はエポキシパテを使っています。
接着剤系のパテとは違い、粘土のように造形することができます。
「速乾タイプ」もありますが、硬化までそれなりに時間がかかるので余裕をもって造形することができると思います。

造形をする際にはいろんな種類のスパチュラを使っています。

Mr.グルー・アプリケーター(接着剤用塗布棒)

接着剤やパテを盛り付けする際に使う棒です。

これが意外に便利で、塗布棒で成形してから硬化させることでヤスリがけも最小限に収められることができます。
硬化した接着剤も簡単に剥がすことができ、繰り返し使うことができます。
接着剤ではないですが、塗装で使うマスキングゾルを塗ったり剥がしたりする時にも使っています。

透明パーツを接着、穴埋めする場合

透明パーツでカラーパテや色のある接着剤を使ってしまうと埋めた部分が目立ってしまいます。
接着剤は透明度のあるものもありますが、硬化した時に白化してしまうことがあるので注意が必要です。

セメダイン ハイグレード模型用接着剤

セメダインハイグレード模型用接着剤は白化しづらい接着剤になります。

すこし使いづらいのが、サラサラしていてパテの用に盛り付けて使うことはむずかしいです。
また硬化に時間がかかるのと硬化後もすこし粘土があって研磨しづらいです。

100均の工作用UVレジン

穴埋めなどで活躍するのがUVレジンです。
硬化しても透明度が失われません。
写真は100円ショップCan☆Do(キャンドゥ)のものになります。

透明レジンは卓上UV照射機で簡単に硬化することができます。
こちらもCan☆Doのものですが100円ではないので注意が必要です。

100均などで手に入るUVレジンは硬化後はかなり固くなります。
UV照射しない限りは硬化しないので、少量を盛り付けたり成形してから硬化するといいでしょう。

時短ツール ポリッシャー/サンダー

大きいものやパーツが多い場合に、手で磨いているとさすがに大変なのでポリッシャー/サンダーを使ってヤスリがけしています。
2種類使っていて、少し仕様が違うので簡単に紹介します。

GSIクレオス Mr.ポリッシャーPROIII

クレオスのMr.ポリッシャーはスイッチON/OFFで動くシンプルなものです。
スピードコントールはできません。
プラスチック製品など材質によっては、長時間同じ箇所に当てていると溶けてしまうこともあるようです。

先端は「横方向」に振動します。
厳密には弧を描くような動きなので、まっすぐな溝で使うような時は少し使いづらいです。

定格使用時間は15分の様です。
たしかに長時間使用していると本体が熱を持ってくるので、別のポリッシャーに持ち換えたりしています。

アルゴファイル アルティマ5

もう一つは、アルゴファイル アルティマ5です。定番ですね。
専用アタッチメントもたくさん付属しています。

先端は、クレオス Mr.ポリッシャーPROIIIとは違い「縦方向」に振動し直線的な動きになります。
縦方向か横方向かの違いですが、意外に作業しやすさに影響するので使い分けています。

連続使用時間は30分程度でクーリング。
ARTIMA5はダイヤル式のスイッチでスピードコントロールも兼ねています。
レッドゾーンのフルまでダイヤルを回してGSIクレオス Mr.ポリッシャーPROIIIと同じくらいのパワー感になりますが、発熱の原因にもなるようです。

アルゴファイル 集塵機 LB5

ヤスリがけをしていると削りカスが大量にでるので集塵機を使うのがオススメです。
アルゴファイルの「LB5」は、大口なのとパワーがあるので、集塵機の上で削り落としたものは大抵吸い取ってくれるかと思います。

稼働音が大きいので場所や時間を選ぶのと、少し値段が高いです。

自作集塵機

PCで使われているファンと100均のケースなどを買ってきて自作で作ったこともありますが大して役に立ちませんでした。

防塵マスク・防塵メガネ

集塵機があるとはいえ全て吸い取ってくれるわけではないので、防塵マスクや防塵メガネで体内への侵入を防ぎましょう。